デコアーティスト 鈴木真理子さんインタビュー
こんにちは、『手づくりの秘密』のてづ子です!今回は、『基礎から学べる 楽しいデコアート』の著者、デコアーティストで日本デコアート協会会長の鈴木真理子さんにお話を伺ってきました。

記念すべき1冊目の本

てづこ:
鈴木さんにとって初めての本ですね。いかがでしたか。
鈴木さん:
ふだんは、スクールでのレッスンが中心です。
生徒さんにじかに接していても、伝えるって難しいなと感じているので、
本の場合はどうすれば分かりやすいのかをたくさん考えました。
生徒さんたちを見ていると、
皆さん共通してつまずく箇所があることに気付きます。
そんな経験も伝えたかったので、
ポイントだけでなくNG例もなるべく多く紹介しました。
てづこ:
誌上レッスンですね。
鈴木さん:
知ることがクオリティアップにつながるので。
自宅で少しやってみたけれどきれいにできない、
絵柄をデコレーションする方法が分からない、と
挫折してスクールにいらっしゃる方が多いんですよ。



ピンク×黒 ドット柄
 



ハート形、シェル形など、形も豊富で作品の
アクセントになる「ビジュー」


愛らしいモチーフが多い「プラスチックパーツ」


シルバーやゴールドの「金属パーツ」



ダイヤ柄のミラーに使ったピンクとグリーンの配色は最近のお気に入りです。

楽しみ方いろいろ
実は、世代を問わない「デコアート」

てづこ:
キラキラは若い人のもの、という印象がありましたが、
作品を拝見してイメージが変わりました。
鈴木さん:
ストーンの色選びを意識するだけで、ぐっと印象が変わります。
同じデザインでも10〜20代なら少し派手な色を、落ち着いた薄めの色なら
私の世代(30〜40代)にも品良くなじみやすいですね。
いくつになってもキラキラが好き、でもあまり目立たせたくないなら、
部分的に取り入れれば、さりげなく持つことができます。
ストーンだけでなく、ビジューや金属パーツ、プラスチックパーツを
組み合わせるのもおすすめ。立体感が出て、華やかになります。


本で紹介した、ハート柄の防犯ブザー(=写真左)は、ピンクのストーンでスイートな雰囲気。
ブラックのストーンを使えばシックな表情に。(=写真右、参考作品)

てづこ:
本でも紹介してくださいましたね。
鈴木さん:
携帯電話ケースやジュエリーボックスはお気に入りの作品。
蝶々や花といった可愛らしいモチーフのパーツを使いながら、
大人っぽく仕上がりました。
必要なストーンの量も減るから楽ですし(笑)、
見栄えがするので初心者の方にもおすすめなんです。


お気に入りの作品。携帯電話ケース(=写真左)と ジュエリーボックス(=写真右)。

てづこ:
ストーンはきれいな色がたくさんあって目移りします。
鈴木さん:
汎用性の高い、自分が使いやすい色を選んでおくとよいですね。
でも、生徒さんの作品や、お客様からのオーダーに、
はっとさせられることも多いんですよ。
自分では思いつかない色合わせ、意外性のある色合わせ・・・・・
新しい発見が自分の作品にも刺激になっています。
 

接着剤の「よい加減」が美しく仕上げる秘訣

てづこ:
先生は「接着剤の量は永遠の課題」と仰っていましたよね。
鈴木さん:
接着剤が多過ぎると、ストーンが接着剤に埋もれたり、
ストーンの縁についてしまったり・・・・・・
今回はすべてスワロフスキー®・クリスタルを使ったのですが、
中でも粒の大きなビジューはとくに、
本物の宝石と見間違う方もいるくらい素晴らしい輝き。
ストーンの美しさを生かすためにも、接着剤の加減が大切です。
ベースの素材によって接着剤の種類を替えることも必要ですし、
形状によって分量を調整するなど細やかなコツがいろいろ。
初めて作る作品では、私もいまだに失敗することがあります。
てづこ:
ストーンがとれるのが不安でついついたっぷり塗ってしまったり、
早く仕上げたくてえいっ、と塗ってしまいがちですね。
鈴木さん:
(笑)そういう方がたくさんいますよ。
初心者の生徒さんをみていると、
接着剤を多めにつけるくせがつくと、減らすのが難しいようです。
少なめにつける習慣をつけて、
慣れてきたら少しずつ増やしていく
といいと思います。
それから、一度にできる範囲を把握しておくとよいですね。
全体に塗り広げてしまうと、並べないうちに乾いてしまうこともあるし、
乾いた上にさらに塗り重ねると表面がでこぼこしてしまうので。
少しずつていねいに、仕上げていくのが大事です。





ストーンの接着
 








起業のきっかけになった作品


趣味にも。副業にも。プロを目指しても。
上達がキャリアアップにつながる

てづこ:
もともとは会社勤めをなさっていたのですよね。
鈴木さん:
名古屋で秘書の仕事をしていました。
当時、趣味としてフラワーアレンジメントに興味があったのですが、
インターネットであれこれ調べていたとき、
東京のスクールでデコアートが習える、ということをたまたま知って。
キラキラしたものが好きで、デコアートは知っていましたが、
出来上がったものを買うというイメージでした。〝自分で作れるんだ!〟 と。
すぐに行動するタイプ(笑)なので、東京に通って基礎を学ぶことにしたんです。
てづこ:
それから作品を作るように?
鈴木さん:
仕事を続けながら、少しずつ作品を作っていました。
その時はまさか起業するなんてまったく考えていませんでした。
学生時代に質屋さんでアルバイトをしていたのですが、
その時の店主さんにたまたま作品を見せる機会がありました。
〝これ、作ったの?〟と、すごく気に入ってくださり、
そのつてで作品がジュエリーショップに置いてもらえることになったんです。
これなんですけれど(=写真)。
てづこ:
いきなり店頭に並べてもらえたのですか?
鈴木さん:
はい。1カ月で60本くらい売れたんですよ。
それがきっかけになって、ホームページを作って販売をはじめたんです。
てづこ:
それはすごい!! 嬉しいし、励みになりますね。
鈴木さん:
会社を退職してプロになろうと。
貯金が続くうちはどうにかなる、と覚悟を決めました。
3年くらい地元名古屋を拠点に、作品作りに没頭していました。
当時、デコアートをやっていると言っても、なかなか認知されませんでしたね。
ネイリストと間違われることもありました。
てづこ:
それでも続けられたのは?
鈴木さん:
やっぱり、作品作りの楽しさ、
完成させたときのうれしさが格別だからでしょうね。

デコアートは小さなスペースで作品作りができるし、
道具も高価ではないのでスタートしやすい。
空き時間に自分のペースで作品づくりができるのも魅力です。
今は発信できる方法がたくさんあるので、お客様を待つのでは無く、
作り手が積極的に活動できる良さもあります。
てづこ:
インターネット上で、作品が目にとまる機会も多いですよね。
鈴木さん:
生徒さんの中には、ママ友仲間から頼まれて作った作品が、
ブログやTwitterで評判になって、注文がきて、という方もいらっしゃるようです。
きっかけや作品販売の方法はいろいろだから、
お子さんがまだ小さくて、外で働くことができないママさんでも、
副業になさっている方もたくさんいます。
 

いつでもデコレーションのことばかり

鈴木さん:
ふだんから、これはデコレーションできそう! とか、
デコレーションしたら可愛くなるかな? と、考えています。
てづこ:
つねに、デコ目線(笑)
鈴木さん:
あれこれイメージしているうちうちに、作品の幅が広がりますよ。
生徒さんの中には、キッチンタイマー、グラスやティーカップ、
大きなものだと車のエンブレムとか。
靴のヒールの部分にデコレーションするのもすてきです。
私は犬を飼っているので、そこからリードへのデコレーションも思いつきました。
工夫次第で何にでもデコレーションできるんですよ。

先生、お忙しい中、
ありがとうございました。




撮影(一部除く)/安田 裕

 
私が大切にしている 私の逸品「店頭で「デコレーションできそう!」と、思わず手に取ったALPEXのイヤーフックフォン。ハート柄でデコレーションして画像をツイートしたところ、友人らが「可愛い!」と絶賛。メーカーの営業さんの目にとまり、数量限定で商品化されることになった。

プレゼント情報

鈴木真理子先生の新刊本『基礎から学べる たのしいデコアート』をご応募いただいた方から抽選で5名様にプレゼント

プレゼントの応募は終了しました。


『基礎から学べる たのしいデコアート』
鈴木真理子(著者)
*絶版*

基礎から学べる たのしいデコアート