きれいな花や可憐な花、たくさんの花とともに、
私たちは生活しています。

ときには慰められたり癒されたり、
日々の暮らしに欠かせませんね。

そんなたくさんの花の中から38 点、
楽しく悩みながら選びました。

刺しゅうが初めての人にも刺しやすいステッチを、
できるだけ使うようにもしました。

好きな花を刺しゅうして
フレームに入れて飾るのはもちろん、
ハンカチやランチョンマット、
クッションなど毎日使うものや
ブラウスやT シャツ、バックなど身につけるもの、
カルトナージュの布箱など、
いろいろなものに刺しゅうしてください。

刺しゅうするスペースに合わせて
図案の一部を使うのもおすすめです。

この本の花たちが皆様の生活に
彩りを添えることができれば、
うれしく思います。

大塚あや子先生
「はじめに」より

この本では、たくさんのステッチの中から、
よく使われる12 種類のステッチと、
ふんわりとした立体感を出すためのスタンプワークのステッチも
3 種類プラスしました。

レーズドリーフ・ステッチは、
まち針を利用してかけた3 本の糸に、織るように糸を渡すステッチです。
花びらや葉を立体的に表現できます。

バリオン・ステッチは、
結びのステッチの仲間で、
針に糸を何回か巻きつけて刺すステッチです。

コーチド・トレリス・ステッチは、
布に格子状に刺した糸を別糸でとめつけていくことで
模様を表現するステッチです。

ロング&ショート・ステッチは、
面を埋めていくステッチです。
最初の段は長短をつけて刺し、次の段は逆の長さの針目で刺していきます。

ロール・ステッチは、
芯になる糸に、ぐるぐると糸を巻きつけていくステッチです。
浮き上がるので、花の丸い茎などに
立体感をもたせることができます。

スミルナ・ステッチは、
トルコの結び目じゅうたんの産地から名づけられた、
ループを作りながら刺していくステッチです。
ループの長短やループをカットすることで、
いろいろな表現ができます。

表紙にも使われているスタンプワークは、
華やかで目を引きます。
花びらや茎などを立体的に仕上げる方法を、
部分的に取り入れるだけでも作品の幅が広がります。

たくさん刺さなくても、ワンポイントとして、
好きな花をひとつだけ刺すのも、素敵ですよ。